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ルアーショップおおの「NEWS」
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プライムタイムファクトリー 高井正洋さん 逝去



プライムタイムファクトリーの高井正洋さんが、亡くなられました。

享年46歳。余りにも若い。

癌であったとお聞きしました。

23年6月7日 高井さん 最後の地となった福岡で葬儀があります。


高井正洋さん、

沢山の夢を有り難うございました。

今でも思い出します。

もう26~7年まえのことですが、
琵琶湖小田ヶ浜でお客さんが投げたチカペンに次々と出るアタック。

それを目の当たりに見た僕は、
其のルアーを多くの方に紹介したいと思いました。

やがて高井さんが訪ねてこられ、お店でチカチャンや
チカペンを置くことが出来るようになりました。

その後ポッパーをお願いした所、
「僕初めてポッパーを作りました」、
といってお持ち頂いたポッパーは、チカポップと名付けられ、
チョボチョボと鳴く音を抑えたポッパーでした。

「僕はこういう音がすきなんです。
僕の作るルアーですから、こういう音にしました」
高井さんは、続けて「僕のわがままです」と
はずかしそうに言われたことを覚えています。

もう、あなたにルアーを作って頂けないけど、
あなたが残したルアーでバスと遊ぶときは、
釣り人は、あなたの優しい、
そして少しはにかんだ笑顔を思い出します。

高井正洋さん 有り難うございました。


高井さんに、当店のHPで“チカチャン”を紹介したい
と申し上げた所、次の文章を寄稿頂きました。
平成17年5月のことです。
その寄稿文をここに掲げ、彼のご冥福をお祈り致します。

                     大野 知一

H17  6. 1
チカチャン誕生秘話
※チカチャンは、ハンドメイドリアルミノーではありません。
ハンドメイドホイルフィニッシュミノーです。
 今年(2005年)で、もう40歳になります。 
ルアーを作り始めて4半世紀が経ち、
僕がルアーを量産するようになって22年になろうとしています。 
その量産化第一号がホイルフィニッシュミノーの ”チカチャン”です。
現在の様に情報ツールなどというものが充実しておらず、
本などから情報を得るのが主体だったあの頃、
地元の岐阜で入手できるスポーツフィシングの全国紙は 
BasserやAngling くらいでした。
そのAngringに、ハンドメイドルアーの特集が載ったのです。 
そこで初めてハンクルやムラセミノー、リベット、ナベミノーなどを見て、
その完成度の高さに驚きました。
 
 [にも作れるだろうか」 その頃は、今で言うところの
教本のようなものは一冊としてなく(土地柄かも?)
本に載っているものの仕上がり具合から制作方法を想像して試してみる
といったトライ&エラーのくりかえしでした。

クランクベイトやトップウォータープラグ等は既に何個も作っていて、
それらはどれもワンオフの一点ものばかりでしたが、
なぜかホイルフィニッシュミノーを作ろうと思った時、
3体同じ物を作ろうと思ったのです。

頭の中にはある程度のウェイトバランス等の知識は持っていましたが、
それまではそれをデータとして記録することはありませんでした。 
その時初めて同じ物を3体作ったことからデータを記録するようになり、
品質の均一化と製作効率の向上を目指すように思考が変わったようです。
 
 Angringに載っていたハンドメイドミノーに触発されて
ホイルフィニッシュミノーを作ろうと思ったのですが、
へそ曲がりな僕は
本に載っていた物のまんまレプリカを作るつもりは毛頭なく
(もちろん作り方の解説も何もないから
見た目しかマネできないのですが・・・)、
リアルなものからほんの少しルアーらしさを加えたいと思いました。 

デフォルメ気味のエラやありえない口の赤、ウロコ模様の
ホイルフィニッシュはチュールを使って浮き上がらせたり・・・ 
そうして1984年初めに出来たルアー ”チカチャン” 
(チカとは、エゾワカサギの俗称です。似ても似つかないけど)は、
その頃足繁く通っていたプロショップT・Wのオーナーらと
2月に釣りに行った時に水上デビューしました。

その日は結果的には全員デコッたのですが、
僕の”チカチャン”のトップウォーターミノーイングには
バイトがあったのです。
 
 りに寄った喫茶店で、オーナーに調子に乗って
「これ売れるかなぁ」と尋ねてみると、「置いてやるで作ってみ」
といってくれました。

今から思えば冗談で言ってくれたのでしょうが、
その一言が僕の人生に適度な?ゆがみを与えてくれたようです。

本気で量産する為に頭が回転し始めました。

最初は岐阜のT・Wのみでの販売でしたが、
口コミで置いていただけるショップが増え、大野さんとは
その頃からのご縁で20年近いお付き合いをさせていただいてます。 
 
 はPrime Time Factoryというブランド名で
トップウォータープラグ中心のルアー製作をしていますが、
チカチャンの製作で得た遠回りだらけの経験が
僕のやる気を支えています。 

P・S
   最初に作った3体のチカチャンは2体をロストし、
最後の1体のみとなりましたが未だに現役です。
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   (高井さんの釣られたバスとチカチャン―思い出の画像)


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                                 おおの
by ls-ohno | 2011-06-07 02:05 | バス
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